薬や食べ物などに対するアレルギー反応は予測が困難であり、突然に痒みや発赤などを伴って症状が現れてきます。場合によってはアナフィラキシーショックによって人の命にも関わりうることから、軽視はできません。そのため、医療機関においては患者に観察される微々たる反応であったとしても、見落とさないということが重要です。
一方、検査薬や治療薬を使用した際や病院で食事をした際に、そういった反応があったかどうかを判断するのは難しい場合もあります。身体が痒くなったり湿疹ができたりしてくると、患者からの訴えがある場合も多いでしょう。しかし、それが不快に感じられるほど酷いものでない場合は、患者が隠してしまうこともあります。見た目ではっきりとわかる反応があった時以外には、医療関係者が気がつくことなくアレルギー反応を起こしてしまっていることがあるのです。アレルゲンにもう一度さらされるのは重篤化のリスクを高めてしまうことになるため、そういった反応を取りこぼしなく拾うことが医療関係者の課題となっています。
その実現のためには、看護師の意識改革が重要です。患者から最も近い立ち位置にあって、些細な相談がしてもらえる可能性が高いのは看護師でしょう。それゆえに、患者が隠してしまうようなことを聞き出せる可能性がある医療従事者として、看護師が注目せざるを得ません。医師や薬剤師には相談しにくいようなことでもできるような関係を築き上げることが、看護師には求められているのです。